最近カフェ・レッスン効果がめきめき出てきている生徒Sさん(指揮者・男性)。実は先月までレッスンに利用していたカフェが最近静かすぎる(さすが「音」に敏感!)ということで、今月から新しくできたにぎやかなカフェに移ったばかりなのです。そしてこんなうれしい報告をいただきました。
「応用言語学の阿部一さんの研究結果によると、騒音のある中でリスニングし、口先だけでなくしっかりした呼吸・語気をともなって話すことが頭を鍛え、定着するということです。実際私にあてはめれば、カフェを変えたことがやはりいい結果を生み出しつつあるのではないかと思います。」
今回そんなSさんから「副詞」の配置について質問がありました。
Sさん:①She tried to remember his name. (hard) ②He went to bed. (late)
これら2つの文で、カッコ内の語をどこに入れたらよいですか?答えはひとつですか?
私:hard やlateなどの副詞は動詞を説明することが多くて、ふつう次の位置に入ります。 (a)「主語+動詞」のあと (b)「動詞+目的語」のあと
・ただし動詞と目的語の間には入りません。
ではこのルールに①の文を当てはめてみましょう。最初にtryをメインの動詞と考えると、
(a)\tShe tried hard to remember his name.「彼女は彼の名前を頑張って<u>覚えようとしました</u>」という意味になります。
次にtried to remember を一つの動詞のまとまり(try to + 動詞の原形)として考えると、his name (彼の名前を)が目的語なので、(b) She tried to remember his name hard.「彼女は彼の名前を頑張って<u>思い出そうとしました</u>」という意味になります。結局二とおり考えられます。それにしてもhardの位置だけでこんなに意味が変わってしまうのですね。
それから②の文は、go to bed (寝る)が動詞のまとまりなので、(a) He went to bed late. 「彼は遅く寝ました。」となります。「時」の副詞はたいてい文末に入ります。
そんなわけで、今回は「動詞のまとまり」を考えると、副詞をどこに置いたら言いたい内容が伝わるか見えてきました。ちなみに hard, late は形容詞も同じ形です。
ここまで説明してSさんも納得です。「やはり答えはひとつではなかったのですね。これですっきりしました。ありがとうございました!」
Sさん、これからも『にぎやかな』カフェでレッスンを続けながら英語力をアップしていきましょう。