アメリカ大統領選も終り、民主党オバマ氏が圧勝しました。彼のスピーチはとても定評があります。人を動かし、共鳴させるスピーチ。それは、わかりやすい、シンプルな英語を使っていることも一理あります。ここに、あるときの彼のスピーチ原稿を拾って見ました。演説のテーマはTurn the page.(新しい一ページをめくろう)。きっと初心者の方でもわかる英語ですので、ご一緒に見てみましょう。
<strong>Turn the page</strong>
I am confident about my ability to lead this country. But I also know that I can’t do it without you. There will be times when I get tired, there will be times when I make a mistake ? it’s true,
talk to my wife, she’ll tell you. But this campaign that we’re running has to be about your hopes, and your dreams, and what you will do. Because there are few obstacles that can withstand the
power of millions of voices calling for change.
(訳)新しいページをめくろう。
【私は、この国をリードできる自信がある。しかし、これは、あなたの力なしではなし得ないことだ。私だって、ときには疲れ、間違いを冒すこともあるだろう。これは私の妻に聞けばわかるさ、彼女がよく知っているから。しかし、いま私たちが行っているこのキャンペーン(選挙)には、あなたの希望や、夢や、あなたの未来がかかっているのだ。そして、これは、変化を求めている何百万もの声を持って乗り越えられない障害など、ほとんどないに等しい。】
いかがですか。とてもシンプルでしょう。レッスンでネイティブが得意げに使うようなスラングなどはでてきません。Iam confident about my ability to lead this country.-この国をリードできる自信がある、なんて、なんて力強い言葉なんでしょう。同じ言葉を麻生さんが言っても、きっと何かしっくり来ないでしょうね(笑)。
そして、that I can’t do it without you.(あなたの力なしにはなしえない)と上手に国民を巻き込んでいる。また強がるだけでなく、途中で自分の人間的な弱い部分を出し、奥さんを引き合いに出してジョークも入れている。
そのあと、「何百万もの声を持って乗り越えられない障害など、ほとんどないに等しい」というところで、聴衆の心をぐっとつかんでいくのです・・・。
うーん、うまい。これは英語、という言語ならではなのでしょうか。日本語でも、こういう扇動的なスピーチが可能なのでしょうか。
そして、この演説のクロージングです:
It’s time to turn the page for hope. It’s time to turn the page for justice. It is time to turn the page and write the next chapter in the great American story. Let’s begin the work. Let’s do this together. Let’s turn that page. Thank you.
(訳)【さあ、いまこそ希望へのページをめくろう。正義へのページを開くときだ。いまこそページをめくって、新しいアメリカの歴史の新たな一ページをつくるときだ。その仕事をはじめようではないか。皆さんと一緒に。新たなる一ページをめくろう。ありがとう。】
It’s time to turn the page・・・というフレーズを韻を踏むように、何度も繰り返しています。そうすることで、このメッセージがズシンと心に響くのです。
なんと、一国をリードするにふさわしい人物の言葉か。感動すると同時に、うらやましい。
麻生さんも、ホテルのバーばかり通っていないで、こういったしゃべりを身につけていただきたいものです。